当サイトが格安SIM利用者100人を対象に行ったアンケートによると、大手キャリアからMVNO(格安SIMの運営事業者のこと)に乗り換えると月々のスマホ代を平均4,000円程度節約できます。
しかしドコモやauなど大手キャリアのユーザーの中には、次のような疑問を持つ人がまだまだ少なくありません。
「安いなりにサービスの質やサポートが悪いのでは?」
そこで今回は、格安SIMがどうしてキャリアより低価格でサービス提供できるのか?その仕組みや理由を詳しく解説します。
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格安SIMがキャリアより圧倒的に安くできる理由
格安SIMはなぜ安いのか?ここからはその理由を詳しく解説していきます。
格安SIMが安くできるワケを理解しやすいように、大手キャリアはなぜ安くできないのか?についても見ていきましょう。
格安SIMが安い理由まとめ
詳しい解説の前にキャリアより安い理由をザックリとまとめました。
- 通信設備にかかる費用を削減
- 店舗など人件費を削減
- キャリアよりサービスをコンパクトに提供
それでは、具体的にどうやって安くしているのか?仕組みを解説します。
格安SIMは徹底したコスト削減で低料金を実現
格安SIMがキャリアにくらべて安い最大の理由は「運営コストが安いから」です。
格安SIMを運営している事業者をMVNO(仮想移動体通信事業者)と呼びますが、MVNOは自前の通信回線・設備は持っておらず、大手キャリアの回線の一部を借りてサービスを提供しています。

そのため大手キャリアにくらべると、MVNOは設備投資や人件費を大幅に抑えることが可能なのです。
それ以外に
- 料金プランをシンプルにする
- 実店舗(ドコモで言うドコモショップ)を設置しない
- 広告・宣伝費を抑える
といったキャリアと差別化された特徴によって、キャリアとは比べ物にならないほど低コストでのサービス提供が可能です。
そのため月額料金をキャリアの半額以下に設定しても利益が出るコスト構造になっているわけです。
借りる回線を増やすほど、利用者が増えても快適な通信速度を維持できます。
しかしその分レンタル料が増えるため、結局は料金を上げざるをえなくなります。
低料金が武器の格安SIM(MVNO)にとって、料金と回線速度の微妙なバランスを取る必要があるんですね。
大手キャリアの料金が高い理由
ドコモやソフトバンクなど大手キャリアの料金が高いのは、MVNOが安いのと正反対の理由によるものです。
毎年莫大な額の設備投資が必要
大手キャリアは自社で巨大な携帯電話通信網を構築・維持しています。
へんぴなところに旅行に出かけても大抵の場所で携帯電話が使えるのは、キャリアが全国のすみずみにまで携帯電話基地局を設置してくれているおかげ。
キャリアはそれら通信システムを常に安定稼働させる社会的責任があります。
常に新しい基地局を設置したり既存設備をメンテナンスする必要があり、それには莫大なコストが必要です。
総務省の発表資料によれば、平成24年度の大手キャリア3社合計の設備投資額はなんと2兆円以上にも及びます。
●引用元:総務省 – 通信サービスの料金その他の提供条件の現状(2014年5月20日)
店舗網や宣伝広告費にも莫大なコストが
大手通信キャリアは全国にサービス網(店舗網)を設けているため、店舗維持費や人件費にも莫大なコストがかかっています。
またキャリア同士の顧客争奪合戦も熾烈を極めています。
テレビCMなど広告宣伝費にも莫大な費用がかかっていることでしょう。
過剰ともいえるサービス内容も高額料金の一因
サービス内容が充実しているのもキャリアのプラン料金が高くなる理由の1つです。
- 電話のかけ放題
- キャリアメール(ドコモで言う@docomo.ne.jp)
- セキュリティ(ウィルス対策ソフトなど)
- 公衆無線LAN(駅やカフェ、コンビニなどでWi-Fiが使えるサービス)
といった「誰もが必要というわけではないサービス」まで標準で含まれており、その分だけ基本料が高くなっています。
サービスレベルが高いのはメリットでもありますが、それらのサービスを使わない人からすると無駄に高いだけというデメリットにもなるわけです。
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コスト削減による格安SIMのデメリット
「安い」ということはそれだけで大きなメリットになりますが、当然コストを削ったことによるデメリットもあります。
通信速度が遅い時間帯がある
大手キャリアから通信回線をレンタルしているため、混雑する時間帯(昼・夕方)の格安SIMは通信速度がガクッと落ちます。
格安SIMユーザーが同じ時間帯にたくさん通信をすることで、一時的にパンクしたような状態になってしまうのです。
(お昼は昼休憩、夕方は退勤ラッシュの時間帯です)
実際に速度測定をしたところ、朝と昼ではかなりの差がでました。
下のグラフは朝の平均速度と昼の平均速度です。


昼の速度を見るとUQモバイルのみ飛びぬけていますが、ほかの格安SIMは軒並み遅くなっています。
逆に、混雑する時間帯にWi-Fiに繋げる人やお昼休憩がズレている人は問題なかったりします。
【2019年8月】人気の格安SIM 通信速度比較!11社18回線を計測&最速MVNO決定
店舗が少ない
最近では店舗を持つMVNOも多くなってきたものの、キャリアの店舗の多さにはかないません。
楽天モバイル、イオンモバイルなどは店舗に力を入れていますが、簡単な設定などは自分でできた方がベターです。
無制限のかけ放題がほぼ無い
「最初の10分だけかけ放題」といった時間制限付きのかけ放題は格安SIMでも取り扱っています。
しかしキャリアのような無制限のかけ放題となると、Y!mobileくらいでほとんど存在しません。
格安SIMのかけ放題まとめ!無制限、アプリなしは?MVNO17社徹底比較【2019年版】
2台持ちなど特殊なやり方で安く無制限のかけ放題を使うこともできますが、初心者には少しハードルが高いかもしれません。
無制限かけ放題の方法や通話料の節約方法は「格安SIMの通話料を節約する方法9選!」で解説してます。
格安SIMは「安かろう悪かろう」ではない!
今回は格安SIMの安さの仕組みと理由、キャリアが高い理由、安さからくる格安SIMのデメリットを解説しました。
格安SIMは
- 回線を大手キャリアからレンタルする
- 店舗は設けない
- 宣伝はネット中心
回線自体は大手キャリアのものを利用しながらも、さまざまな工夫をすることで安い月額料金を実現しているわけです。
決して「安かろう悪かろう」ではないのです。
もちろん、大手キャリアと比べてまったくデメリットがないわけではありません。
しかし自分に合った格安SIMを選ぶことができれば、デメリットを感じずに利用することもできます。
これまで格安SIMに乗り換えても大丈夫か不安だった人も、安心して格安SIMを利用してくださいね。